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2021.3.15
石井麻木さんと双葉町の撮影に行ってきました。
これまで桜が咲き誇る春の景色、緑溢れる夏の景色を写真に納めて頂いた中で「次は冬の景色がいいですね」と仰って頂いていたのですが、コロナウィルス感染防止対策の観点から雪景色の撮影は叶いませんでした。
しかし、双葉町のことを写真を通して伝え続けたいという石井さんのありがたいお気持ちもあって3月初旬、震災からまもなく10年となるタイミングで再び双葉町に来て頂くことができました。
新しくなった道路を走り、新しくなった駅や整備された町を案内させて頂きましたが、「ここで桜の写真を撮りましたね」「あの車は変わらず置いてありますね」と自分の故郷の思い出を話すように優しく話す姿が印象的でした。
今回で四度目の撮影になりますが、その中で気付いたことがあります。
石井さんは必要以上にシャッターを切りません。
ご本人に直接伺った訳ではありませんので推測になってしまいますが、「撮る」ことが目的なのではなく、しっかりその場所・その瞬間を自分自身で感じた上でありのままの姿を切り取るということをされているからではないかと思います。
「写真(作品)を撮る」ということが目的になると、その為の場所探し、その為の被写体探し、その為の構図というカメラマンの主観が写真に入ってくるはずで、それを成すために「演出」がされたりするものだと思いますが、石井さんの写真の“透明さ”はそういったものが混じっていないことで保たれているのではないでしょうか。
そんなことを考えている間に撮影は順調に進んで、この日の撮影が終わりました。
撮影された写真は後日、「Still, Beautiful」という写真アルバムになって石井さんの写真展や双葉町の催事などでもご覧頂けます。
アルバムは目下制作中ですので完成の暁には改めてお知らせ致します。
石井麻木さん、今回もありがとうございました。