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2019.4.19
先日、双葉町撮影のために町内へ立ち入りました。
役場の方の案内で双葉北小学校へ。
教室内にはそのまま置かれたランドセルたち。
卒業まであと7日というところで襲った大地震。
式に向けた準備が進んでいた中、緊急避難所として解放された小学校に集まった町民に配られたおにぎりもそのままで、黒板には地震の不安を和らげようと、高学年の児童が書いたであろう言葉が残されていました。
不安な一夜を過ごした翌日、おおきな地響きと共に福島第一原子力発電所の爆発。そして双葉町全域からの避難指示。
それから、故郷を離れての避難生活がはじまったんだということを改めて思い出します。
黒板に書かれた言葉から当時の状況、とてつもない不安な時間を懸命に過ごした子ども達の気持ちを考えると胸が締め付けられる思いもありましたが、同時に高学年のおにいさん・おねえさんが低学年の児童を落ち着かせようと、守ろうとした行動には町の未来に一筋の光も感じました。
その後、丁度桜の開花時期ということもあり、町内を見て回ることに。
散り始めではありましたが、双葉町各所にある桜がとても綺麗に咲いています。
町から人々がいなくなって8年。
それでも町の花である「さくら」は変わらずに咲き続けていました。
今回町内に立ち入ったのは、3月11日に続いて石井麻木さんによる町内の撮影が目的でした。
過密スケジュールを縫っての撮影でしたが、偶然にも桜の時期と重なったことで、双葉町の春の景色を残すことができました。
撮影された写真をアルバムにして石井さんの写真展「3.11からの手紙 / 音の声」に展示させて頂いています。
これから今回の写真たちをアルバムという形にして、みなさまにご覧頂けるように準備します。
双葉町の美しさを切り取った「Still, Beautiful」というアルバムです。
このプロジェクトを通じて、私達も気付いていなかった双葉町の美しさを新たに感じることができています。
次世代に残すべきは、きっとこういうことなんだと改めて決意した次第です。
どこかでお見かけした際には、是非ご覧になってください。