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REPORT | 3.11からの手紙 / 音の声


2018.11.19

 

 

 

 

2018年11月14日(水)〜18日(日)にデザインクリエイティブセンター神戸〈KIITO〉にて開催された石井麻木さん写真展【3.11からの手紙 / 音の声】に行ってきました。

 

 

 

新幹線で新神戸、そこから地下鉄で三宮駅へ。

会場は、三宮駅からたくさんの花が彩るフラワーロードを瀬戸内海方面へ15分ほど歩いたところです。

 

神戸市内では、ルミナリエの準備が進められておりフラワーロードからのその様子が窺えました。

綺麗な町並みからは、阪神淡路大震災からの復興を遂げた力強さが感じられます。

 

双葉町の復興において、きっと参考になるポイントがたくさんのあるのだろうなと思いながら歩いているとあっという間に〈KIITO〉に到着です。

 

 

 

 

 

 

館内には石井さんの写真展にいらっしゃるであろうたくさんのお客さまが。

 

まずはご本人がいらっしゃる2FのギャラリーCへ。

 

にこやかにお客さまと話す石井さんへ挨拶をさせて頂いて、写真を見させて頂きました。

 

 

 

 

 

 

震災以降、毎月被災地に通い写された写真には、震災直後の崩れた町並みから避難所の様子、そこからの復旧作業、それを支援するアーティスト達の活動、こどもたち・それを見守るおとなたちの笑顔などたくさんの場面が切り取られています。

 

 

まわりを見てみると、写真を見ながら涙を流す方、優しい笑顔でご覧になる方、真剣にまっすぐな目で見つめるお子さんと、様々な気持ちと感情でご覧になっていることがわかります。

 

受取手の多様なリアクションを見ていると、この〝3月11日からの手紙〟たちは、見る側に写真の意味が委ねられているように感じます。

 

 

それは、

 

鮮やかな写真たちなのに、「色」がない写真。

 

「色」がなく透明なはずなのに力強く美しい。

 

という矛盾すらも感じさせます。

 

 

 

 

 

 

 

石井さんに撮影頂いた双葉町の写真は会場の中央のテーブルに並べられていました。

 

 

「展示頂けるスペースがあれば邪魔にならない程度に置いてください」

 

 

と伝えてはいましたが、まさかこのような贅沢な展示になっているとは思ってはいなかったので驚きましたが、石井さんとスタッフのみなさんのお気持ちが本当に嬉しく思いました。

 

 

 

 

 

 

多忙なスケジュールの中、2日間かけて今年の夏に防護服を着て汗だくになりながら写された景色。

 

体力的にも厳しいはずなのに「疲れた」の一言もなく、まったくそんな素振りを見せない石井さんに驚いたことも思い出されます。

 

 

わたしは町名の案内で同行させて頂きましたが、町に入った時に「綺麗な町……」と仰ったことが忘れられません。

 

 

FUTABA DARUMA の【Still, Beautiful】のアルバムを会場の中央に飾って頂けたこと、東北をはじめ被災各地を訪問しているときも誰よりも人の心に寄り添い、絶対に自分の疲れや弱さを見せない石井さんを見ていると、東北にかける思いは当事者であるわたしたちよりも強いものかもしれません。

 

 

 

 

 

 

3Fに上がると、阪神・淡路大震災の写真や防災資料が展示された【阪神・淡路大震災 1.17からの道のり】が開催されています。

 

震災当時の写真から受ける衝撃、復旧と復興の過程で見える活力・結束、支援するアーティストが発する熱気、現在に活かされる防災と救護の知識と文字通り1.17からの道のりがわかります。

 

 

地域や人々が受けた被害を考えれば地震が与えた悲しみはとても大きなものです。

しかし、それを「悲しみ」で終わらせることなくそれを「経験」とし、次世代に繋ぐ「知識」として拝見できることに心からの尊敬と感謝を感じずにはいられません。

 

 

 

 

 

 

今回、諸事情によって5歳の息子が一緒だったのですが、石井さんの写真の中にあった家内が育った家の写真を見て

 

「草がいっぱい生えてるね。なんで?」

 

素朴な疑問でしたが、これまでうまく説明することができませんでした。

 

しかし、今回の石井さんの写真展を通してはじめてしっかり答えることができた気がします。

 

 

 

いつも対応に苦慮していたパパとママの生まれた町のこと。

地震と原発事故のこと。

 

〝伝えていく〟のはこのようなことなんだと、スッと胸の中に落ちました。

 

 

 

最後は自分の家族の話になってしまいましたが、双葉町とFUTABA DARUMAに、そして私自身にとっても素晴らしい機会を与えて頂いた石井麻木さんに心から感謝致します。

 

ありがとうございました。

 

 

 

 


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